1. ホーム
  2. ハイブリッド・エコ・ハートQ
  3. 史幸便り
  4. Vol.16 来年度の着工に向けて
工法の解説
ラフィーネ
史幸便り

史幸便り

Vol.16 来年度の着工に向けて

来年の住宅着工がどの様になるか、その鍵を握る第三次補正予算の骨格がようやく見えてきました。

2011年12月13日更新

■「フラット35」Sにエコとベーシックを想定。

公的住宅資金の供給元である「住宅金融支援機構」は、平成23年度の第三次補正予算に金利引き下げ措置の予算が盛り込まれたために、現在の「フラット35」Sを、「フラット35」Sエコと「フラット35」Sベーシックの2種類に分類し、特に省エネ効果のある高性能住宅を「エコ」と認定して、従来通りの耐震性やバリアフリーで「フラット35」Sの認定を受けている住宅に関しては、「ベーシック」タイプとして、住宅のエネルギー消費量によって、住宅金利の優遇に差を設ける方針を示しています。省エネルギー性能に該当する「フラット35」Sエコの場合は、借り入れ当初(現状0.3%)5年間の金利引き下げ幅は、1%または0.7%に拡充。省エネルギー性能に該当しない場合は、「フラット35」Sベーシックとして、差別化が計られます。現在、特例措置によって、高性能住宅に認められている金利引き下げ期間が20年のものは、「金利Aプラン」、期間が10年のものは、「金利Bプラン」とする予定であるようです。

補正予算の成立後は、住宅の省エネルギー性能と金利優遇期間との組み合わせで「フラット35」Sエコ『金利Aプラン』・「フラット35」Sエコ『金利Bプラン』の2種類に分けられ「フラット35」Sベーシックの場合も、「フラット35」Sベーシック『金利Aプラン』・『金利Bプラン』に分けられる見通しです。この様に、現在の「フラット35」Sは4種類に分けられ、住宅の省エネルギー性能が一層重要性を増してきます。公的融資については、補正予算に計上の段階ですから最終的な決定後に、もう一度特集記事でお知らせしたいと思います。ただ、ここで申し上げたいのは、これからの住宅は、耐久性や耐震性はもちろんのこと省エネ性能にも力を入れていかないと将来に大きな禍根を残すことだけは確かなようです。

■建材や住宅設備にも「トップランナー基準」の導入?

住宅性能を一定程度、担保するために主に家電(エコキュートや高効率エアコン・太陽光発電・LED照明等)を対象に、制定された「トップランナー基準」ですが、住宅に採用される住宅設備にも同様の「トップランナー基準」が導入される気運が出てきました。これもまた国土交通省と経済産業省の補正予算がらみですが、建材や住宅設備の省エネ性能のボトムアップを図り、民生用、特に住宅部門の省エネルギー化を促進するのがねらいです。対象として検討されているのは、断熱材・浴槽・窓・トイレ等で、この様な住宅設備面からも国を挙げて、省エネルギー化と脱炭素社会の実現を目指した取り組みが始まっています。2020年までの次世代省エネ基準への適合義務化は、待ったなしで進行しています。

■『次世代省エネ基準』に変わる「新基準案」の骨子?

現在の省エネルギー基準は、1999年に制定された「次世代省エネルギー基準」が我が国の最高基準となっていましたが、それに設備をプラスして高性能化を促進する基準として「トップランナー基準」が制定されています。このいずれかの基準を満たすことを条件に、公的融資の利息軽減や税金の優遇により、住宅の高性能化が計られて来ました。この2種類の基準の違いは、「次世代省エネルギー基準」は、Q値(熱損失係数)やη値(日射取得係数)などの基準を設けて躯体の断熱性能で規定されるのに対して、「トップランナー基準」は、躯体の断熱性能をワンランク(新省エネ基準)落としても、省エネに関連する太陽光発電などの再生可能エネルギーやエコキュート・高効率エアコン等の設備による総合力で「次世代省エネ基準」の性能を約10%程度上回るように設計されています。

2020年基準は、この「トップランナー基準」の基本性能を「次世代省エネルギー基準」レベルに引き上げる事が基本となります。その性能に、現在の「トップランナー基準」に求められている、再生可能エネルギー源や高効率住宅設備を導入して、基準の第一歩となるようです。更に、ヨーロッパのように住宅性能の評定方法を、Q値などによる躯体の断熱性能の数値的な判断から、「冷暖房負荷」というような、実際に冷暖房に使用したエネルギー量の総計で、住宅の性能判断を行おうとするもので、断熱材の種類や施工方法も随意に出来ることになります。しかし我が国の施工現場の現状では、ドイツのパッシブハウスのように民間主導とまでは、なかなか行かない現実があり、「トップランナー基準」のように、エコポイント制度などで実績のある方法で住宅の高性能化が試行されています。

■『次世代省エネ基準』は、最低基準であるという認識。

トヨタと東京工業大学は、従来のリチウムイオン電池並みの大電流を出せる、安全性の高い「全個体電池」で連続走行距離を現行小型車種の約200㎞から1000㎞程度までのばせる可能性があり、住宅用に使う場合も小型化しやすいと言い、新電池は、2015年~20年の実用化を目指しています。NED(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の蓄電池、技術開発ロードマップでは、EV向け次世代蓄電池で価格的には、現在の5分の1~10分の1以下になることが想定されています。マツダと広島大学は、EVの連続走行距離を2倍以上にする技術を開発。NECは、電極の新素材の開発で低価格、長寿命の蓄電池を開発。寿命を20年にのばし、5年後の実用化を目指しています。スマートグリッドやスマートハウス向けにも、富士通や日本IBMは、仙台エコタウン構造や福島スマートシティ計画などの実用化プランで我が国の新エネルギー構造は、原発事故を挟んで世界に先駆け、本格的な段階に入りつつあるようです。

■新エネルギーを使いこなすために必要な住宅性能。

国土交通省の目論見は、10年後一気に住宅性能を「次世代省エネ基準」レベルまで引き上げる事ですが、現状では断熱材の施工法講習会から始めなければならないというジレンマがあるようです。外観は同じに見える住宅の中身がようやく遡上に乗ってきました。史幸工務店が求めてきた本物の住宅性能は、ドイツと同レベルの住宅性能まで可能にしています。その違いは残念ながら、実際に住んで頂かないと判らないというところに歯がゆさを感じます。

ページのトップへ