Vol.9 いま住宅を建てると有利か不利か?

景気浮揚対策で住宅取得やリフォームに有利な優遇策。
住宅建築をお考えの方は、長期優良住宅が有利です。

2010年04月01日更新

自民党税制の置きみやげ過去最大の減税額

住宅ローン減税の概要
●一般住宅の場合
居住年 控除期間 住宅借入金等の
年末残高限度額
控除率 最大控除額
09年
10年 5,000万円
1.0% 500万円
10年
11年 4,000万円 400万円
12年
3,000万円 300万円
13年 2,000万円 200万円
●長期優良住宅の場合
居住年 控除期間 住宅借入金等の
年末残高限度額
控除率 最大控除額
09年
10年 5,000万円
1.2% 600万円
10年
11年
12年
4,000万円 1.0% 400万円
13年 3,000万円 300万円

平成21年度の税制改正で、住宅に関する大幅な優遇税制が実現しました。これは、先の自民党政権が打ち出した住宅政策で、住宅の長寿命化を促進する住宅新法の制定を受けて実現したものです。この税制改革では、一般住宅の場合、最大控除額500万円、長期優良住宅では、最大控除額600万円というものでした。ちなみにそれ以前の税制と比較すると平成20年末まで実施されていた制度では、10年又は15年の控除期間を設定できるものの2000万円が借入限度額で、それぞれの控除期間に応じて最大160万円が控除されるというものでしたから、現在の減税額は、実に最大4倍に近い額になっています。この減税と長期優良住宅に対する様々な補助事業は、本年度も引き続き実施されることになりました。

長期優良住宅+地域材の採用で120万円の補助

年間施工棟数、50棟以下の中小工務店に対する「長期優良住宅普及促進事業」は、本年度もそのまま維持され、それをベースに「木のまち・木のいえ整備事業」が新たに盛り込まれ、木材自給率の引き上げと良質な住宅建設による市場活性化が図られることになりました。地域材を使用した木造住宅に補助を行い、地域材の活用を促し林業の再生が図られます。地域材に対する補助事業は、長期優良住宅のみに適用されるため、この制度の活用には、長期優良住宅で建てて頂く必要があります。長期優良住宅を建てる場合には、日本住宅性能表示基準による、公的な機関での性能表示を受けなけれならないなど、建て主に対する経費負担が伴いますが、国産材の利用促進に向けた各自治体の独自の補助制度も合わせて利用できます。

先に述べたように「長期優良住宅普及促進事業」には、昨年の自民党の事業を継承した「一般型」と民主党が今回提出した地域材を活用する「地域資源活用型」の二種類の選択肢があります。補助金は「一般型」が最大100万円で「地域資源活用型」は、20万円多い120万円が上限になります。

2010年度、その他の住宅関連施策。

地球の温暖化は、毎年、異常気象として騒がれるようになって参りました。この様な状況下、ストックホルムでC0P15が開催されましたが、先進国と発展途上国の溝は埋まらず、C0P3(京都議定書)後の二酸化炭素削減に関する枠組み条約は、来年のC0P16に持ち越されてしまいました。鳩山首相は、2050年までに我が国の二酸化炭素排出量をC0P3の基準年1990年の25%削減という、大胆な削減策を表明し、国際公約として我が国の二酸化炭素削減の取り組みが開始されました。

環境・リフォーム対応の強化と補助事業。

リフォームにつきましても、前政権の「長期優良住宅先導的モデル事業」や「住宅・建築物省二酸化炭素推進事業」は廃止され、「環境・リフォーム推進事業」に統一されて、住宅の高性能化による二酸化炭素の排出抑制やエネルギー消費の削減に対する予算が大幅に増やされています。「住宅のエコポイント制度」や「住宅省エネラベル」による住宅の性能表示も、よりわかりやすくなり、一般に浸透してくるものと考えられます。地方においても独自の住宅政策が打ち出せるようになり、地方独自の補助制度である「社会資本総合整備交付金」制度なども創設されるようになっています。

今年こそマイホームを考えられてはいかがでしょうか?